#土中建築・施工説明資料

【第15回】土中建築の建築確認で、最初に整理すること

こんにちは。UnderSOIL(アンダーソイル)の野口です。

今回は、形の面白さより先に用途・敷地・構造を決める といった話題を取り上げたいと思います。

FRP草屋根やアースシェルを用いた土中建築に興味を持っていただくと、よく聞かれることがあります。

「これって、建築確認はどう考えるんですか?」

とても大事な質問です。

UnderSOILは、変わった形の建物を雰囲気だけで提案するブランドではありません。
当社は創業40年、建築実績1000棟を超える建築設計施工会社として、土中建築についても国内建築として対応できる考え方を前提に計画しています。

建築は、用途、敷地、構造、設備、防水、排水、維持管理まで含めて成り立つものです。
土中建築の場合も同じで、まず整理すべきなのは「何を建てるのか」「どこに建てるのか」「どの構造で成立させるのか」です。

モジュラー技術とグリーンルーフ技術を採用した二階建ての住宅

まず「何に使う建物か」を決める

建築確認で最初に整理したいのは、用途です。

同じような形に見えても、住宅なのか、宿泊棟なのか、店舗なのか、休憩所なのかで、計画内容は変わります。

住宅なら、暮らしやすさ、採光、換気、断熱、設備計画が重要になります。
宿泊施設なら、客室としての安全性、避難経路、清掃や管理のしやすさも関係します。
観光農園の休憩所や景観型カフェなら、不特定多数の方が利用する前提で、動線や設備を整理する必要があります。

「小屋みたいな感じで」という相談もありますが、建築計画ではその“感じ”を具体化しなければ進みません。

小規模な建物でも、住宅なのか、宿泊棟なのか、店舗なのか、倉庫なのかで扱いは変わります。
まず用途をはっきりさせることが、建築確認の第一歩です。

敷地条件で、計画は変わる

次に見るのは敷地です。

用途地域、建ぺい率、容積率、接道、防火上の条件、景観に関する制限、排水先、地盤、地下水位、積雪、搬入経路。
こうした条件によって、建物の規模や配置は変わります。

土中建築では、建物の外側に土や植物が関わります。
そのため、建物本体だけでなく、造成、水はけ、重機の搬入、完成後の管理まで含めて計画する必要があります。

土地が広ければ何でもできるわけではありません。
逆に、限られた敷地でも、用途や配置が合えば面白い計画になることもあります。

ここは、図面を描く前の大事な確認です。

主要構造は、在来工法または鉄骨造を基本に考える

ここは、UnderSOILの土中建築を考えるうえで重要な部分です。

現時点での計画では、アースシェルそのものを主要構造体として扱うのではなく、主要構造は在来工法または鉄骨造を基本に考えます。
その外側にFRPのアースシェルを組み合わせることで、土中建築らしい曲面、外皮、防水、断熱、土被覆、植栽を計画します。

つまり、アースシェルは単なる飾りではありません。
ただし、建築確認上の主要構造とは分けて整理します。

RCシェルや大断面集成材アーチのように、その構造自体で建物を成立させる方法とは考え方が違います。
UnderSOILの現行方式では、在来工法または鉄骨造を主要構造として成立させ、その外側にアースシェルを組み合わせることを基本にしています。

この整理があることで、意匠、構造、防水、排水、断熱、外構の考え方を分けて検討しやすくなります。

設備・防水・排水も最初から見る

土中建築では、外観の形だけでなく、設備や水まわりの計画も早い段階で考えます。

給排水、電気、空調、換気、点検口、排水経路、植栽管理。
これらは後から何とかするものではなく、最初の計画に入れておくべき内容です。

特に宿泊施設や店舗では、運営動線も重要です。
客室なら清掃や点検のしやすさ、カフェや直売所ならお客様とスタッフの動線、住宅や別荘なら日常的な設備点検のしやすさが関係します。

完成したときの見た目だけでなく、使い続ける前提で考える。
これは土中建築に限らず、建築計画では基本です。

面白い建物ほど、初期計画が大切です

FRP草屋根や土中建築は、普通の建物とは違う印象を持っています。
だからこそ、最初の計画が大切です。

何に使う建物なのか。
どのくらいの規模にするのか。
敷地条件に無理はないか。
主要構造を在来工法にするのか、鉄骨造にするのか。
アースシェルをどのように組み合わせるのか。
建てた後の管理は誰が行うのか。

ここを早い段階で整理すると、計画の現実性が見えてきます。

「この形、面白いから建てたい」
その気持ちは、とても大事です。

ただ、建築として形にするには、用途、敷地、構造、設備、防水、排水を順番に整理する必要があります。
ロマンだけで突っ走ると、あとで現実がヘルメットをかぶって追いかけてきます。

UnderSOILでは、土中建築をただ珍しい建物としてではなく、実際に使える建築として提案しています。

土地の条件を見て、用途を決め、主要構造を整理し、アースシェルをどう組み合わせるかを考える。
この積み重ねがあるからこそ、FRP草屋根やアースシェルを用いた土中建築は、現実の建物として形になっていきます。

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