#土中建築・施工説明資料

【第8回】 通常の緑化屋根と何が違うのか  

こんにちは。UnderSOIL(アンダーソイル)の野口です。

今回は防水・浸水リスクから考えるFRP草屋根のお話です。

FRP草屋根というと、「緑化屋根の一種ですか?」と聞かれることがあります。

たしかに、見た目だけ見ると、屋根に草や芝がある建物に見えるかもしれません。
でも、UnderSOILが考えるFRP草屋根は、一般的な屋上緑化とは考え方がかなり違います。

一般的な緑化屋根は、多くの場合、建物の屋根構造の上に、防水層、排水層、植栽基盤、植物を重ねていく考え方です。

屋根があり、その上に緑化のための層をつくる。
これはこれで、有効な工法です。

東京都環境局の「緑化計画の手引」でも、建築物の屋上や壁面、ベランダ等を緑化する「建築物上の緑化」が制度上整理されており、緑化には景観形成、ヒートアイランド現象の緩和、大気浄化、雨水貯留などの役割があるとされています。

ただし、UnderSOILのFRP草屋根は、通常の屋根の上に緑化層を足す考え方ではありません。

アーチ状のFRPフレームによって、外壁と屋根が一体化した外皮をつくる。
その外皮を、土と植物で覆う。

つまり、土と水に接する建築の外皮そのものを、FRPで考えるということです。

ここが大きな違いです。

土中建築で一番怖いのは、水です。

これは、かなり現実的な話です。

コンクリートの地下室で、湿気臭い、カビ臭い、空気が重い。
そんな印象を持っている方も多いと思います。

原因はいくつか考えられます。
ひび割れ、打継ぎ、貫通部、排水不良、結露、換気不足。
どこか一つが原因というより、いくつかの要素が重なって、室内環境に影響している場合もあります。

もちろん、コンクリート地下室がすべて悪いという話ではありません。
きちんと設計し、施工し、排水や換気まで整えれば成立します。

ただ、土に接する建築では、水と湿気をどう扱うかが本当に大事です。

ここを甘く見ると、あとで建物が静かに文句を言ってきます。
だいたい、水染みとか、においとか、カビとかで。
静かだけど、なかなか強めのクレームです。

木製下地にルーフィングやフィルムで防水する場合も、同じように慎重な検討が必要です。

木そのものは水に弱い材料です。
そのため、防水材で木を守る構成になります。

ただ、防水材は永久に同じ性能を保つものではありません。
材料の種類、日射、温度変化、動き、接着状態、施工精度によって、経年劣化のリスクは変わります。

特に土に覆われる建築では、防水層をあとから簡単に確認できないことがあります。
ここが怖いところです。

だからUnderSOILでは、外皮そのものをFRPで考えることに大きな意味があると思っています。

FRPは、錆びにくく、腐りにくく、水に接する外皮材として合理性があります。
もちろん、それだけで全てが解決するわけではありません。

でも、土と水に接する建築で、構造体の外皮そのものをFRPでつくれることは、大きなメリットです。

防水材で構造体を守るだけではなく、まず外皮自体を水に強い素材で考える。
そのうえで、防水、排水、保護層、土、植栽を組み合わせる。

ここが、UnderSOILのFRP草屋根の考え方です。

ここで大事なのは、「FRPだから絶対に漏れない」という話ではないことです。

どんな材料でも、弱点になりやすい場所があります。

接合部。端部。貫通部。開口部まわり。排水口まわり。

水は、そういうところを見つけるのが本当に得意です。
人間が見落とした場所に、ちゃんと行きます。

だから、FRP草屋根では、素材だけに頼ってはいけません。

FRP外皮で受ける。
接合部を処理する。
防水層で守る。
保護層で傷を防ぐ。
余分な水を排水する。
土と植物で景観になじませる。

この順番を、最初からセットで考える必要があります。

通常の緑化屋根では、屋根構造の上に緑化層を重ねるため、防水層は土や植栽の下に隠れます。
完成した状態では、防水層が見えにくく、もし漏水が起きた場合、原因を探すのが難しくなることがあります。

「どこから入った?」
「この下か?」
「いや、もっと向こうか?」

屋根の上で、土をめくりながら犯人探しをするような話になります。
これは笑いごとではなく、実務ではかなり重要です。

東京都環境局の手引でも、屋上緑化では植栽による荷重が設計積載荷重を超えないよう注意すること、植栽土壌等と排水層・防根層で構成すること、ルーフドレン等の排水口を定期的に清掃することなどが示されています。

つまり、緑化屋根は「植えれば終わり」ではありません。

荷重。排水。防根。乾燥。風。維持管理。そして漏水対策。

見た目はやさしいですが、中身はかなり実務的です。
芝生の顔をした技術屋さんです。ここでもまた登場です。

UnderSOILのFRP草屋根は、この実務的な課題に対して、外皮の考え方から違いをつくろうとしています。

屋根の上に緑を足すのではなく、外壁と屋根が一体化したFRP外皮を、土と植物で覆う。

ここに、防水・浸水リスクへの根本的な違いがあります。

そして、荷重の話も避けられません。

土は軽くありません。
水を含めば、さらに重くなります。
地域によっては積雪もあります。
メンテナンス時に人が上がることもあります。

つまり、緑化屋根は見た目の話だけではなく、構造の話でもあります。

東京都環境局の手引でも、緑化計画では緑化計画平面図、緑化面積計算図表、緑化計画断面図、屋上平面図などの添付書類が示されています。
緑化は「植えれば終わり」ではなく、図面で整理する計画行為として扱われます。

UnderSOILのFRP草屋根も、見た目だけで進めるものではありません。

構造計算。
防水仕様。
排水計画。
防根対策。
植栽計画。
メンテナンス計画。
建築確認申請。

この全部を、敷地条件に合わせて整理する必要があります。

ただ、だからこそFRP草屋根には提案価値があります。

通常の緑化屋根は、屋根の上に緑をつくる工法です。
UnderSOILのFRP草屋根は、外壁と屋根が一体化したFRP外皮を、土と植物で包む土中建築です。

見た目は草屋根。
でも中身は、土と水に向き合う建築です。

最後にひとことで言うなら、

FRP草屋根は、屋上緑化の見た目をまねる工法ではないっす。

土と水に接するFRP外皮をどうつくるか。
水をどう止め、どう逃がすか。
そして、どう景観になじませるか。

そこに、UnderSOILが提案するFRP草屋根の大きな意味があります。

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