#はじめての土中建築

【第5回】 地中建築って暗いの?湿気るの? ポイントは、光・水・空気です

こんにちは。Under SOILの野口です。

地中建築の話をすると、よく聞かれることがあります。
「暗くないんですか?」「湿気ませんか?」「地下室みたいになりませんか?」という質問です。

たしかに、言葉だけ聞くと少し不安になりますよね。
地下室とか倉庫のような、暗くてジメッとした空間を想像する方も多いと思います。

でも、Under SOILが考えている地中建築は、ただ地下に部屋をつくるものではありません。
大事なのは、どこを土で守り、どこを外に開くかです。

全部を土の中に閉じ込めるのではなく、正面側は外に開き、屋根や側面を土で覆う。
この考え方が基本になります。

まず大事なのは、光です。

地中建築といっても、全部を土の中に閉じ込める必要はありません。
正面に大きな開口を取ることで、室内に自然光を入れながら、土に覆われた部分では断熱性や遮音性を活かすことができます。

つまり「暗い地中に閉じこもる」のではなく、「外に開く面」と「土に守られる面」を設計で分けるわけです。

ここを間違えると、ただの我慢大会みたいな空間になっちゃいますね。
それは違うっす。

次に大事なのが、水です。

正直、地中建築で一番気をつけるべきなのはここだと思っています。
雨水や地盤まわりの水をどう処理するか。ここを甘く見ると、あとでかなり困ります。

土に接する建物では、防水層で守るだけでなく、断熱層、保護膜、排水層まで含めて考える必要があります。

特に大事なのは、水を「止める」だけでなく「逃がす」ことです。

建物のまわりに水がたまらないように、砕石や有孔管、ジオテキスタイルなどを使って排水ルートをつくります。
いわゆるフレンチドレンの考え方です。

地中建築で怖いのは、土そのものというより、水の行き場を考えないことなんすよね。

そしてもう一つが、空気です。

土に包まれた建物は、外気の影響を受けにくい反面、換気計画が大切になります。
湿気をためない。空気をよどませない。必要な場所で給気と排気を考える。

自然の力を借りる建築だからこそ、設備を使わないという話ではありません。
自然の力と設備の力をうまく組み合わせることが大事です。

日本で地中建築を考えるなら、特にこのあたりは避けて通れません。
雨が多く、湿気があり、台風もあり、地震もあります。地域によっては積雪もあります。

海外の写真を見て「これいいですね」で終わらせるのではなく、日本の気候や建築基準に合わせて、構造、防水、排水、断熱、換気を現実的に組み立てる必要があります。

地中建築は、暗くてジメジメした空間をつくるものではありません。

光をどう入れるか。
水をどう逃がすか。
空気をどう動かすか。

そこをちゃんと設計すれば、静かで落ち着いた、自然に包まれる空間になります。

最後にひとことで言うなら、

地中建築は、モグラになる話ではないっす。

光と水と空気を、ちゃんと設計する建築です。

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