【第4回】 土屋根って何がいいの? 見た目だけじゃない、土の力と設計の話
こんにちは。Under SOILの野口です。
今回は、土屋根そのものの話です。
土屋根というと、まず目に入るのは見た目ですよね。
屋根の上に草が生えていて、建物が風景に溶け込んでいる。
たしかに、見た目はかなり魅力的です。
でも、土屋根の良さはそれだけではありません。
本当に面白いのは、そこからなんすよね。
土屋根は、単に屋根に土をのせるだけではありません。
Under SOILが考えている土屋根は、一般的な屋上緑化をそのまま置き換える話ではありません。FRP構造をベースに、最初から土・水・植栽・防水・排水を受け止める前提で考える、FRPグリーンルーフという方向性も見ています。ここは、今後かなり大事なテーマになると思っています。
建築的に見ると、土・植栽・防水・断熱・排水・構造がセットになった屋根です。

まず大事なのが、熱環境です。
屋根は、夏の日差しや冬の冷気を強く受ける部分です。
そこに土と緑があることで、日射を直接受けにくくなり、建物内部の温度変化をやわらげる効果が期待できます。
ただし、土だけに頼るわけではありません。
土は水分量や種類によって性能が変わります。
乾いた土と湿った土では、熱の伝わり方も変わります。
だから実際には、断熱材、防水層、空調計画まで含めて考える必要があります。
ここ、けっこう大事っす。
次に、防水と排水です。
土屋根で一番怖いのは水です。
雨が降れば、土は水を含みます。
その水をどこで止めて、どこへ逃がすか。
ここを甘く見ると、あとで困ります。
防水層で建物を守る。
断熱層で熱と結露を考える。
保護膜で防水層や構造体を守る。
砕石や有孔管で水を逃がす。
土屋根は、見た目は自然ですが、中身はかなり技術的です。

もうひとつ大切なのが、植栽です。
屋根にのせる植物は、何でもいいわけではありません。
根が強すぎる植物、水をたくさん必要とする植物、管理が大変な植物は向かない場合があります。
理想は、背が低く、乾燥に強く、管理が少なく、その地域の気候に合う植物です。
土屋根の植栽は、見た目だけでなく維持管理も含めて選びます。
そして、忘れてはいけないのが重さです。
土は軽くありません。
水を含むと、さらに重くなります。
地域によっては積雪も考えないといけません。
だから土屋根には、構造計算が必要です。
「気持ちよさそうだから土をのせましょう」では建てられないんすよね。
でも、そこまで考えるからこそ面白い。
断熱、防水、排水、植栽、構造。
この5つがうまく組み合わさると、土屋根はただのデザインではなく、建物の性能を高める仕組みになります。
ロマンがある。
でも、ロマンだけでは終わらせない。
土屋根は、雰囲気だけじゃないっす。
ちゃんと考えるほど、面白い建築です。